インプラント手術ができない場合とその対処法 kiki DENTAL|美容診療コラム

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インプラント手術ができない場合とその対処法

「あなたの状態ではインプラント治療は難しいですね……」

せっかくインプラント治療を受けようと決意したのに、歯医者さんでそう言われてしまったら悲しいですよね。

インプラント治療は、埋め込む顎骨にある程度の厚みや量が必要で、手術時には麻酔や切開などの処置もともないます。そのため、心身の状態やほかに疾患などの兼ね合いで、治療自体を断られてしまうことがあるのです。

ただし場合によっては、まず該当の疾患を治療することでインプラントができるケースもあります。ここでは、それらの情報をまとめて、可能な限りの対処法も記載しています。

顎の骨

骨が足りないとできない

インプラントを埋め込み、しっかり安定させるには最低限の顎骨の量や厚みが必要で、骨密度などの質の面も大切になります。

それを診断するために、インプラント治療ではまず、歯科用CTで顎の3次元画像を撮影するのが一般的です。埋め込むインプラントにより大きさは違いますが、どちらにしてもきちんと安定するだけの必要なスペースが足りているか、確認する必要があるのです。

この段階で十分なスペースがないと判断された場合は、インプラント手術自体が難しくなります。

骨粗鬆症にかかっているなど骨密度が低下しているケースにおいては、治療自体は不可能ではありません。インプラントと骨が結合するまでの期間を長くしたり、穴を小さめにあけて、骨の圧迫で安定させたりすることで対応できる可能性があります。

骨の再生治療

インプラント治療が可能な骨の量や厚みが不足していると診断された場合でも、施術をおこなえるケースがあります。

具体的には、「骨補填材」という人工骨の素材を用いて、骨の厚みや組織の修復・再生をおこない、十分な骨量が確保された段階でインプラントの埋め込みに進む方法です。

骨再生には、顎の状態によっていくつかの治療法を使い分けます。ソケットリフト、サイナスリスト、GBR(骨誘導再生)、骨移値(ボーングラフト)、GTR(組織誘導再生法)などがあり、損傷が激しいほど治療期間も長くなり、大体4~9か月程度が目安です。

また、インプラントの費用に加えてこれらの治療費がかかるので、金銭的な負担も大きくなってしまいます。

ただし、うまくいけば歯をなくし顎の骨も弱った状態から、自分の歯のような噛み心地が手に入るので、メリットも大きいといえるでしょう。

これらの骨再生治療は、高い技術や知識を要するため、通常の医院であれば顎骨が足りないと断られてしまうでしょう。そのため、これらの治療が可能ということは、ある程度以上の技術をもつ医院であると判断できるかもしれません。

また、なかには、これらの方法すら難しいほどの症例もみられます。その場合は、インプラント治療は諦めて、ブリッジや入れ歯による治療に切りかえる必要があります。

治療次第でインプラントが受けられる疾患

現時点ではインプラント治療が難しくても、該当の疾患を治すことで施術がおこなえるケースがあります。

歯周病をかかえている

歯周病は細菌が歯茎の隙間から侵入して、顎の骨を溶かしていく疾患です。その状態でインプラントを埋入したとしても、骨を溶かしてインプラントのぐらつきや脱落を招きかねません。そこで、まずは歯周病の治療を行い、口腔内環境を正常化する必要があります。

また埋入後であっても、インプラントは歯周病にかかりやすく、むしろ自分の歯以上に重点的なケアを続けることが必要になります。そういう意味では、適切な歯周病へのケアやメンテナンスを欠かさずおこなえる口腔への健康意識の高さも、インプラント治療を受けるための必須条件といえるでしょう。

虫歯にかかっている

歯周病と同じく、虫歯もそのままにしておくと、インプラントに悪影響を及ぼすことがあります。そのため、インプラント前にきちんと治療をおこなう必要があります。

噛み合わせに問題がある

歯並びが悪く噛み合わせに問題がある場合は、インプラントに過度な負荷がかかる恐れがあります。というのは、インプラントはあくまで一般的な噛み合わせを基準に作られているためです。ちょっとしたズレであっても、噛む度に不要な力がかかることで、ひどい場合はインプラントが折れたり壊れたりしてしまいます。

そのような場合は、あらかじめ歯列矯正を行うことで対処できます。しかし、当然ながら時間も費用もかさむので、しっかりメリット・デメリットを理解したうえで治療を受けるかどうか判断しましょう。

歯が抜けていた期間が長い

人間の歯は少しずつ動いていますので、歯が抜けてから長い期間が経過していると、隣り合う歯が抜けた歯の隙間に倒れてくることがあります。

インプラントを埋入するにはある程度のスペースが必要となるので、隣り合う歯や噛みあう歯を削る処置で対応します。

タバコを吸っている

タバコは歯茎の血行を悪くし、免疫力や骨の再生能力まで低下させてしまいます。そのため、インプラントの成功率を低下させるともいわれています。インプラント治療にのぞむ場合は禁煙に取り組むようにしましょう。

生活習慣病にかかっている

高血圧の方はインプラント手術を受けるのが難しい場合があります。また、糖尿病患者も免疫機能が衰えており、感染症のリスクが高いのでインプラント治療を受けるのが難しいことが多いです。

これらの生活習慣病を患っている方は、必ず医師と相談して、治療が行えるかどうかを確認しましょう。治療を適切におこなっている場合では、インプラント治療が可能なケースも多いためです。

18歳以下

口腔内はある程度の年齢までは成長をしており、顎の骨や歯並びも変化しています。その段階でインプラントを埋めてしまうと、正確に計算して埋められた位置から移動してしまい、噛み合わせのズレから破損や脱落の原因となってしまいます。

そのため、インプラント治療は成長が一段落する18歳以上になってからおこなうのが基本です。

妊娠中の女性

妊娠中の女性は出産にそなえて身体が不安定になり、さらに手術の緊張感や痛みなども原因となり、最悪流産すら引き起こしかねません。また、仮に手術ができたとしても、赤ちゃんの世話に追われて、必要な術後メンテナンスをする余裕がなくなるというリスクも考えられます。

こういった理由から、妊娠中の女性がインプラント治療を受けるのはあまり現実的ではないといえそうです。

アルコール依存症

アルコール依存症になると、血中のアルコール濃度が高くなり、出血が止まりづらくなります。また、精神面でも不安定になるので、手術自体が難しいのが現実です。

チタンアレルギー

チタンは本来、人体との親和性が高く、異物として認識されづらい性質をもっています。その特性をもってインプラントに広く用いられているわけですが、少数ながらチタンにアレルギーをもっている方もいます。

不安であれば、前もって金属アレルギーテストを受けるようにしましょう。もし、その結果アレルギー反応が出てしまった場合でも、ジルコニアというメタルフリーの素材も存在しますが、まだ扱っている医院はそれほど多くありません。

インプラント治療自体が難しい疾患

以下に紹介する症状がみられる場合は、基本的にインプラント治療は難しいと考えましょう。

放射線治療を受けているケース

癌治療などで放射線治療を受けている場合、インプラントを含めた外科治療全般が難しくなります。炎症の起きやすさや唾液の出づらさから手術自体が厳しく、仮に埋められたとしても、インプラント本来の機能は到底期待できません。

糖尿病のケース

糖尿病の方は免疫機能が衰えており、抵抗力が低いため細菌による感染リスクが高まります。また、再生機能も弱まっているので、埋め込んだインプラントが定着せず抜け落ちてしまうこともあります。傷口の治りづらさから、手術を受けること自体にも大きなリスクをともないます。

肝疾患のケース

インプラントの治療は、薬剤の服用などによって肝臓に負担をかけるため、急性肝炎や肝硬変といった重度の肝疾患がある人は手術が受けられないことがあります。また、肝臓に疾患があると血液を凝固させる働きが不十分で、出血が止まらなくなることもあるようです。これらの理由から、肝臓に疾患がある場合は、インプラント治療は避けた方が良いでしょう。

心臓病のケース

心筋梗塞を患ったことがある方や心臓病の方は、特に発症してから4週間以内の場合は、身体的に危険な状態であるため治療は避けるべきです。また、インプラント治療を行うことによって口腔内の細菌が増加し体内に侵入することがあり、口腔内の細菌がペースメーカーなどに付着してしまうリスクがあるため、インプラント治療は避けるケースが多いです。

まとめ

インプラントは歯をなくした際の治療法としてメリットが多く、とてもおすすめできます。しかし、身体の状態やかかっている疾患によっては治療自体が受けられないケースも多くあります。

とはいえ、それらの疾患を先に治すことで、インプラント治療が可能になることもあり、決して諦める必要はありません。

かかっている病院、歯科医院双方の医師にしっかり相談しながら、最適な形を目指していきましょう。

  • 監修医小久保 和彦
  • 医院名:インプラント・再生医療センター HD.CLINIC 八幡木歯科医院
  • 住所:埼玉県川口市八幡木1-22-8
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