歯医者さんで見解が違う…歯の矯正で抜歯をする?しない? kiki DENTAL|美容診療コラム

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歯医者さんで見解が違う…歯の矯正で抜歯をする?しない?

出っ歯やすきっ歯、受け口などの歯並びや、かみ合わせを改善したい!その場合多くは、歯に力をかけて正しい位置へ移動させる、すなわち歯の矯正治療をおこなっていきます。そこで時折「歯の矯正をお願いしたら、抜歯が必要だと歯医者さんに言われて驚いた」といった話を耳にします。歯の矯正に、抜歯は本当に必要なのか?難しいテーマを、分かりやすくていねいに取り上げていきます。

矯正する歯とは別の歯を抜きます

歯の矯正で抜歯をする場合の多くは、矯正する歯を抜いてしまうのではなく、その周辺にあるほかの歯を抜いていきます。例えば1番前にある、いわゆる前歯を移動させたい場合、前から4番目にある第一小臼歯(しょうきゅうし)を抜歯することがあります。第一小臼歯は、前から3番目にある犬歯(糸切り歯や八重歯と言われることもあります)、その後ろにある歯です。

第一小臼歯を抜くことで生まれたスペースへ、歯を移動させていきます。

歯を移動させるためにはその分のスペースが必要になる、それは理解できるのですが、そのために健康な天然の歯を抜歯することに、抵抗を感じる人は少なくないのです。

あごの大きさで歯並びの悪くなる場合が

抜歯して、スペースを作る。そんなに大きなスペースを作って、歯の移動を終えても隙間が残ることはないのでしょうか?

実際にはそのスペースはなくなり、隙間なく歯のそろうことがほとんどです。なぜこのようなことが可能なのか…?さまざまな原因によるのですが、その一つに、元々上のあご、ないしは下のあごが小さいために、歯が一列に並ぶスペースの足りないことが挙げられます。

 

あごが小さい理由

通常の状態よりもあごが小さくなってしまう理由には、これらが挙げられます。

 

・親族からの遺伝によるもの

 

・柔らかい物を多く食べるため、あごが発育していかない

 

・欧米の人種と比べあごの骨格が小さい

 

欧米はもとより、アジア圏の中でも日本人の骨格は、あごが小さいという傾向があります。

人は多くの場合、親知らずを含め32本の歯が生えそろいます。しかし、上記の理由により上のあごまたは下のあごが小さいと、すべての歯が1列にそろって生えず、列からずれて生えてしまうことがあるのです。

出っ歯や、八重歯が前にずれて生えるなどは、このことが原因である場合が考えられます。

抜歯の後このようなリスクが考えられる

歯の矯正の際に抜歯をして後悔をしている理由として、これらが挙げられるのではないでしょうか?

 

抜歯した後も隙間が埋まらない

これは、矯正治療中に多く見られます。矯正の際、歯の移動はわずか1カ月に1ミリ前後。長い時間をかけ、ゆっくりと移動していくことが分かります。したがって、矯正治療を終え保定期間に入れば、多くの場合隙間はなくなっているようです。

ただし、それでも隙間がなくならない場合は、遠慮なく歯医者さんにその旨を伝えましょう。当初の診断よりも歯が固定していて動きにくい、もしくは症状が重い場合は、治療期間が長引く場合もあります。

また、納得できない場合は医師に伝えたうえで、歯医者さんを変えることもできるでしょう。これを、セカンドオピニオンと称します。

 

抜歯が原因でEライン・ほうれい線・顔の輪郭に変化が生じる

Eラインとはエステティックラインとも呼ばれ、横顔の鼻先とあご先を線で結んだ際、美しいとされるラインのことを指します。

抜歯によって歯の本数が減り、また、前歯などが奥へ移動することにより、口元が奥へ引っ込みます。Eラインの変化はもとより、口元のしわであるほうれい線が強く浮かぶようになる、顔の輪郭がやせて見える、などの変化を生じることがあります。

このようなことを避けるため、治療を開始する前に医師へ確認をしておくとよいでしょう。

ただし、人によってはEラインの変化や、輪郭がやせることを望む場合もあるでしょう。その点も事前に押さえておいてくださいね。

 

人種により異なるEライン

なお、Eラインは人種により異なります。欧米の人々は一般的に鼻が高いため、非抜歯矯正で口元が前方へ膨らんだままでも、Eラインを維持しやすいケースがあります。

逆に、日本を含む東アジア圏の人々は鼻の低い傾向があるため、少しでも口元が突き出していると、Eラインが整っていないように見えることがあります。

ちなみに日本人のEラインは、鼻先とあご先を線で結んだ場合、上唇はそのラインに接しており、下唇はそのラインより2ミリ前に突き出た状態であるとされています。

そして欧米の場合は、鼻とあごを結んだ線よりも上唇は2ミリ後方、下唇は4ミリ後方の位置にあることをEラインとしています。

抜歯か?非抜歯か?歯医者さんで異なる見解

歯の矯正に、抜歯が必要かどうか…。調べていくと、歯医者さんによって意見がさまざまであることが分かります。何が原因で意見が分かれるのか?以下に列記してみましょう。

 

歯が後戻りしやすい

例えば抜歯する歯を、第一小臼歯とします。一般的にこの歯の幅は、おおよそ7ミリから8ミリです。すなわち、歯の矯正により移動する距離も、おおよそ7ミリから8ミリとなります。

それだけ長い距離を移動させるのだから、矯正を終えた後に歯が元の位置へ戻ろうとする、すなわち後戻りも大きいのだと考える歯医者さんが見受けられます。

しかし、抜歯せずに矯正をした場合こそ、歯が後戻りしやすいのだとする歯医者さんいます。これは、元々1列に並ぶスペースが不足しているにもかかわらず、抜歯せずに歯を矯正したため、再び列からはみ出ようと後戻りするのだという見解によるものです。

したがって、歯並びやかみ合わせのためには抜歯がいいのか非抜歯がいいのか、歯医者さんによって意見が異なっているのです。

 

抜歯により歯並びが悪くなる

健康な天然の歯を抜いてしまうことは患者さんのみならず、多くの歯医者さんで抵抗があるようです。その理由としては、歯の本数が少なくなることで全体の歯並びが悪くなり、かみ合わせが悪くなることが挙げられます。

かみ合わせが悪くなると、うまくそしゃくできず、胃腸の消化に負担がかかります。また、あご周辺の筋肉や神経へ影響を及ぼし、頭痛や肩こりなど体全体に不調が現れることも考えられるのです。

患者さんの理解と納得、同意を重んじる

抜歯ではなく、非抜歯による矯正を患者さんが望む場合があります。その際、医師が自分自身の見解よりも患者さんの意思を尊重し、抜歯をしないケースがあります。

これは、治療方針を患者さんの理解と納得、同意のうえでのみ進めていくすなわちインフォームドコンセントという考え方によるものです。

近年、インフォームドコンセントを掲げる歯医者さんは、とても増えました。さらには、抜歯による矯正をおこなわない、非抜歯矯正をモットーとする歯医者さんも増えています。

 

抜歯か非抜歯か…それは症状により変わる?

1万人の患者さんがいて、1万の症例がある…そのすべてが非抜歯矯正で改善できる!とは言い切れないのだとする歯医者さんもいます。

歯の矯正の際、抜歯がいいのか、非抜歯がいいのか…それは患者さん一人ひとりの症状によって異なるのだ、どちらがいいとは言い切れないのだという見解によるものです。

風邪一つを治療するにも、風邪になった原因、患者さんの体質などによって処方が変わります。どれか一方が正しいとはなりません。抜歯もそのように捉えるのだ、という考え方ではないでしょうか。

医師の得意・不得意もあるのでは?

歯の矯正に抜歯をするかしないかは、その医師の得意・不得意、技量によるところも多いのではないでしょうか?矯正歯科は、医師にとっても虫歯などの一般的な歯科診療に加え、さらなる専門の技術や知識を必要とするからです。

まとめ

高齢になっても健康で天然の歯を32本すべて維持するのは、難しいことです。生涯にわたり、楽しく食事ができ、体全体が健康であるために、抜歯するかしないかを考えていきたいものです。

治療期間も治療費も負担のかかる、歯の矯正。そして、健康な天然の歯は、抜いてしまったら2度と元には戻りません。経験のある歯医者さんを選んでいくことが大切ではないでしょうか。

  • 監修医武本 雅彦
  • 医院名:武本歯科クリニック
  • 住所:神奈川県横浜市保土ヶ谷区天王町1-28-3
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